頼まれて、久しぶりにあるホームページのメンテナンスすることになった。しかし、先日新調したPC(MacBookAir 11inch)には、いまだFTPクライアントをインストールしていない。すでにソフトのお目当てはあったが、すこしネットで探してもみた。だが、WIndows用、Mac用いずれも思ったより種類は多くはない。
詳しくは知らないが、ブラウザ・ソフト等でFTPクライアント機能を備えるものが出てきたのかもしれないし、そもそもブログやツイッターが全盛の現在、いわゆるホームページで情報発信する人、しかもそのアップデートにFTPクライアントを使おうなどという人は少数派なのかもしれない。
だが、往年のマックユーザーにとってFTPクライアントといえば「Fetch」おいて他にない。今ではすっかりその姿を見かけなくなったフロッピー・ディスクを、愛らしい犬が口に咥え(走っ)ているそのアイコンは、「モノを取ってくる」というよく見かける犬の芸当と、ファイル転送機能を有するこのソフトウェアとを、アナロジーによって結びつけている。そして、作者は「Fetch」というあまりにも直截的な名をつけた。
「Fetch」の誕生は1989年。FTPクライアントでは最古参である。そのプログラムは、ダートマス大学のジム・マシュー(Jim Matthew)によって、主として大学内で使われることを念頭に書かれたものだ。やがて、シェアウェアとして一般ユーザーが利用できるようになったが、一方で、大学発のソフトらしく教育・慈善を目的とする組織での利用は、登録の上、無料である。
誕生して以来、何年にもわたって、「Fetch」は順調に世界中のユーザーの支持を広げつつ、新機能の追加やバグフィックスを繰り返してきた。しかし、作者が大学において職務上開発したプログラムの一つに過ぎないこのソフトをユーザーの求めに応じて、定期的にアップデートしていくことは徐々に難しくなってきた。
そんなとき、転機が訪れた。2000年12月放映の米国テレビ番組「the Who Wants to be a Millionaire show」への出演だ。この番組で勝利を得たジムは、大学とは独立してソフトの販売が可能なように、ダートマス大学から「Fetch」のソースコードと商標を買取り、Fetch Softworksを設立する。
現在、「Fetch」は3人の常勤スタッフにより開発が続けられている。
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