2012年1月21日土曜日

【没後30年 西脇順三郎 大いなる伝統】

この1月10日から慶應義塾大学の南別館アート・スペースで「西脇順三郎 大いなる伝統」展が開催されている(2月24日まで)。今年は、慶應義塾大学の文学部教授で、詩人でもあった西脇順三郎の没後30年にあたる。これを機に同大学アート・センターに「西脇順三郎アーカイブ」を開設し、今回はこれを記念しての展示である。それほど、大きなスペースではないが、50数点に及ぶ著書・関連する雑誌・詩稿・ノート・書簡などが展示されている。
 T.S.エリオットの『荒地』は、西脇の訳でわが国に広く知られることとなるが、その訳稿の展示もある。多くの訳でさまざまな表現が与えられる『荒地』だが、「四月は極めて残酷な月だ」ではじまる西脇訳はこのノートに書かれている。また、大学時代にこの本と出会い、わたしがこの世界にふれる契機となった西脇著『詩学』(筑摩書房・1968年)。後に筑摩選書となるのだが、ハードカバー版は実は初見。筑摩選書版は、つねに手近に置いておきたいとの思いから、古書店で見つけるたび購入し、いまわたしの手元に3冊ある。同展で配布されている冊子も、西脇にはじめて触れる人に、西脇作品や同氏の作品に背景について知るのにとても便利。
 明日(20日)に講演会が予定されているようだが、法科大学院の講義が入っているので、サボるわけにもいかず、残念ながら欠席。

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