昨日の夕方、東京都心は空が急に暗くなり、雷とともに霙交じりの雨となった。今朝の新聞によると4月の雪は19年ぶりだと言う。帰宅のタイミングを逃したと思ったが、本日中に送らねばならぬ郵便物があったので、激しい雨にもかかわらず帰途についた。
郵便局で所要を済ませた後、久しぶりに流水書房・田町店に立ち寄る。『築地』(テオドル・ベスター著、和波 雅子=福岡 伸一訳(木楽舎、2007年3月)税込3,990円)が平積みされていた。いくつかの新聞・雑誌の書評に取り上げられていた本だ。市場を「しじょう」と読むにせよ「いちば」と読むにせよ、これに関心をもつ者の触手を動かさずには置かぬ魅惑的な地名そしてタイトルである。
現下の都知事選の争点にもなっており、奇妙な時事性を兼ね備えることにもなったようだ。現都知事が再選されれば、あの風情が消滅するとの強い危惧を持ち、最近、俄に築地に通うようになった(昼食が主であるが)。たまたま、手に取った本のページをめくったら、かつて築地市場が大田市場への移転が企図され、挫折した経緯が述べられていた。
当然のことながら、この本をその場で手に取り購入することを考えた。しかし、余裕のない鞄と激しい雨にそれを躊躇した。比較的大部なこの本を持ち歩くには、書店の小さな袋では不十分。逡巡した挙句、手元にあるノートにこの本のことを記し、購入は次の機会を待つことに。
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